日本語はどこからきたのか―ことばと文明のつながりを考える

この本を読むと、今の日本語のルーツはタミル語南インド)であるという、すごい説が展開されている。
日本語の文法(統語)は、アルタイ語族(韓国〜ツングース〜トルコ)のグループに属するとの事。
(単語の単数形・複数形の区別がないとか、冠詞や女性名詞が無いとか、関係代名詞が無いとか・・云々)
ただ、単語の発音(音韻)に関しては、地理的に近い韓国語やアイヌ語とのはっきりした対応が無く、著者が洗い出した結果、同じアルタイ語族に属するタミル語が、日本の記紀万葉集に残された古代語と多くの対応が得られたとのこと。(言語において最も良く使われる基礎語は2000語くらいだそうだが、その中で500語の対応があったとのこと。「哀れ(もののあわれ)」の概念的類似など、世界の切り取り方の感性が非常に似通っており、正直びっくりした。)

で、稲作や埋葬やどんど焼きの風習の類似性などから、弥生時代の稲作(及び現在の日本語)を伝えたのは、タミル語系の人では無いかという仮説になる。
稲作に関する単語の類似性も非常に多いので、「なんでインド?」っていう根本的疑問を除けば、本当にそうとしか思えない。
でも、学者の世界では批判されているらしいのが残念。